ホンダ二輪車向けインターナビサービス、モト・リンクについて

昨年の東京モーターショーで突如発表されたホンダインターナビのバイク版。

去る2012年3月14日に正式リリースがあり、「Honda Moto LINC by internavi（ホンダ モト・リンク）」としてサービスインすることになったので、その内容をまとめておく。

まず、おさらい。

【東京モーターショー11】ホンダ インターナビ、バイクに対応へ
Responseより

内容をかいつまんでみる。

1) スマートフォン用アプリを使う。
2) サービスの方向性は、四輪版と同じく、ユーザー同士でつながる、社会とつながる。
3) 具体的なサービス内容は検討中。
4) 2012年3月までにローンチする。
5) バイク独自のルートナビ機能はすぐには提供できない。
6) コミュニケーション、趣味性、ツーリングシーンなどをフィーチャーしたい。
7) スマートフォンを車載することを推奨しない。
8) UIとして、音声を使用することを検討している。

ちなみに、この内容はプレスリリースではなく、プレスブリーフィングにて口頭のみで発表されるという、ある意味で異例な対応。

この翌日のインターナビ展示ブースで何人かの説明員にお話を伺ったところ、それぞれ把握している内容に差があったのが印象的だった。やっぱり急な対応だったのかなー、と思ってみたり。
※ふつーは、事前にQAを作ってるので人によるAのバラつきは無いはずですよね。

この時点では、現状の四輪向けインターナビ・リンクのアプリを二輪車向けに作り変える程度だろうなぁ、と推測できた一方で、サービスの方向性や、運用にあたるポリシー（やっていいこと、やってはいけないこと）は、ある程度詰めている様子が感じられた。

そら、インターナビがサービスインして早10年ですから、その間に二輪車向けサービスを一度も考えてこなかった、なんてことは無いですよね。


■二輪車向けテレマティックサービスの名称は、Honda Moto LINC（ホンダ モト・リンク）

ということで、サービスインのスケジュールと共にリリースされたサービス内容はこちら。

Honda二輪車オーナー向け新会員制度「Honda Moto LINC（ホンダ モト・リンク）」のサービスを開始
ホンダニュースリリースより

結局、サービスインは2012年4月12日となったけど、この日（2011年3月14日）はATTT（国際自動車通信技術展@東京ビッグサイト）の初日。メディア露出の最大化を考えれば、このタイミングはベスト。

で、このリリースと同時に、ウェブサイトがローンチし、その内容は以下の通り。

・iPhoneおよびAndroid向けスマートフォン用アプリのみ。
・PCやフィーチャーフォンを使った「パーソナルホームページ」は使えない。
・アプリ配布、サービスインおよびユーザー登録開始は、4月12日から。
・利用料は、無料。
・ユーザー登録は、ウェブからのみ行う。

具体的なサービスは、以下の通り。

・インターナビ・ルート
・降雨・降雪マップ
●カッパアラーム
・ドライブ情報
・メンテナンス記録
・給油記録・燃費履歴
●販売店検索
●二輪駐車場情報

四輪車向けインターナビ・リンクに対して、二輪車向けに変更したサービスは、●項目の三つ。

“カッパアラーム”
降雨予測情報を取得し、雨が降りそうな場合はライダーにアラートでお知らせする。ベタなネーミングですが、機能が一言で分かります。秀逸です。さすがです。恐れ入りました。

“販売店検索”
当然の変更しますよね。付近のHonda二輪取扱販売店を検索し、検索した販売店は、ワンタッチでインターナビ・ルートの目的地に設定可能とのこと。

“二輪駐車場情報”
NMCA日本二輪車協会が提供する「全国バイク駐車場案内」が利用可能。

一方、ドロップしたサービスは、以下の三つ。

“ランキング　燃費履歴”
登録車種の特定が出来ないので、情報の信用度が下がることから二輪車向けは当分なさそう。

“ドライブシェア”
プレミアムクラブ限定サービスのため、インターナビ・リンクのみの利用者でも対象外。

“地域安全情報”
モト・リンクは、PCでの利用が出来ないため情報の閲覧ができない。

今あるインターナビ・リンクアプリをベースに、変更ミニマムでサービスインするには妥当な内容だと思う。ただし、昨年のモーターショーのときのコメントにあった、“コミュニケーション、趣味性、ツーリングシーンなど”をフィーチャーした、新たなサービスは無し。

インターナビは、機能追加や変更は随時行われているため、二輪向けも同じように“アジャイル”な改良が盛り込まれていくのだろう。利用者が増えて、様々に使われ始め、これらのニーズを汲み取り、新しいサービスを組み立てていくのかなー、と思いつつ。。。

OBD2情報を使ったスマートフォン向けアプリについて

すさんだココロには、techな話題で癒されましょうか。

車両情報を取得しエコドライブをサポート、カーメイトがiPhoneアプリ提供 | RBB TODAY

OBD2(ODBII)からの車両データを使ったスマホアプリって、ここ最近話題に多く上がっています。OBD2アダプタ（ドングル）自体は、昔からあったけど、価格がこなれてきたことと、情報解析器＆表示器としてスマホが手軽に使いやすくなってきたので、一般人向けにも拡がり始めたのかな。

主なニーズとしては、省エネガイドや通信ナビといった工場オプション装備でしか得られなかった機能を、既存車で使用したいということが大きいかも。
※もっとも、こういう機能を持ったデバイスも以前からあった（テクトム燃費マネージャー、とか）

こうやって、車両情報を入手し、野良で好きなようにされる環境が実はあって、メーカー品じゃなくても出来てしまう。むしろ、変な縛りが無い分、“面白い”ことが出来たりして。

心配事としては、OBD2経由で書き換えできてしまう項目があること、スマホアプリなので収集したデータが転用される可能性があることなどなど。これを塞ぐか、放置するか、意外と判断は難しい。

こうやって、車両データが簡単に手に入る状態で、これを活かすも殺すもアプリ次第という状況に既になっているということは、選んで頂くためには相当ハードルが上がっていると言わざるを得ない。もちろん、二輪車のOBD2対応は遅れているので、四輪車のようにカプラーオンで使用可能という訳には当分いきませんが。

テレマティックスの基本のキは、車両情報の入手から。なので、より多くの車両データが収集できれば、思いもよらぬアイデアが出てきたりして。楽しみ。


＜蛇足＞
これじゃないけど、OBD2-Bluetoothアダプタ（1300円くらい（円高バンザイ））が香港から“そのうち”届くので、アプリで遊んでみたいと思います。